武道の源流

武道の源流

由来
 肥後熊本藩の浪士であった松本源次郎が、諸国修行の途中、和泉国日根(現大阪府泉佐野市)で、流祖・亀井輝重に出会って修行を積み、「古流長刀」の奥義を授けられたのが始まり。川尻町奉行の石寺可亭が退職後に皆伝していることや、入江新内が天明二年(一七八二)に死去していることなどから、松本が肥後に伝えたのは一七〇〇年代半ばと推測される。間もなく肥後の藩校「時習館」の武道に取り入れられ、「古流長刀」が普及していった。
 明治末になって男の指導者が絶えると、安田退三の妻・萬喜(マキ子)が後を継ぎ、大正時代以降は女性師範が伝統を守ってきた。なお「肥後古流長刀」と呼ばれるようになったのは近年のことである。
系譜
流祖・亀井輝重-松本源次郎助次-石寺可亭貞次-入江新内時陳-入江新次郎貞馨-小堀平右衛門闊看-入江太郎八貞伸-安田市助貞方-入江太郎八貞伸-村島貞諧-安田退三貞栄-三浦榮四郎-安田萬喜(マキ子刀自)-木野静恵(-蟻田久代-近藤千代子)-平田眞由美
流儀の特徴
刃四尺(約一・二メートル)、柄四尺の長刀棒(現代なぎなたより二十センチほど長い)を使う。繰り出し、繰り込みの技を特徴とする実戦的な技で、「刃筋六通」=突き切り、引き切り、揚げ切り、掛け払い、抛、砕き=を基本とする。
 実戦では刃先四尺もある重くて長い武器を操ることから、一刀必殺が特徴。このため、動きや手数は少なく、型も単純だが、とっさに動くための体捌き、足捌きの修練が求められる。
伝承されている伝書
 大正五年(一九一六)に安田萬喜が坂ノ上シヅエ(現木野静枝)に与えた伝書「古流長刀之事」に「古流長刀刃筋伝来之歌八首」がある。「虎乱」には「広野にて乱るゝ乕(虎)を懸立る かなめはあしのつけねなるもの」、「青眼」には「来る敵の清き眼をくらまして あとの業こそ勝と知るべし」などとある。ほかに「双貫虎乱之伝」「総状長刀八箇条」。

活動状況
毎年、熊本市内で県古武道協会が主催する熊本県古武道演武大会と、熊本市主催の「お城まつり」に出演している。また、協会加盟の他流派と交代で、細川家ゆかりの出水神社例祭のほか、県武道祭などに参加している。
●稽古場及び支部
 ▽龍驤館(りゅうじょうかん)道場
  住所 熊本市中央区出水1丁目4-7
  電話(096)364-4692
  稽古日 毎週木曜日 午前10時~正午
 ▽支部 和水町(なごみまち)ふれあい会館
  住所 玉名郡和水町前原437
  電話(0968)86-4213
  稽古日 毎週日曜日午前10時~正午
八尺の長刀を使う八尺の長刀を使う 新形・咽喉突き上げ新形・咽喉突き上げ

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